エコノミークラス症候群を起こさないように

エコノミークラス症候群の場合、血栓ができても症状が無く、気が付かない場合もあります。血の塊が小さくて完全に血管を塞がない場合には、特に症状は感じづらくなります。

1.深部静脈血栓症

下肢(つまり足)などの細い血管の中で、血の塊ができて血管に詰まることを、深部静脈血栓症と呼びます。

・下腿が赤くなり、はれ・痛みなどがあらわれます。

・血栓周囲のだるさや、むくみが生じます。

2.肺動脈血栓塞栓症

血栓や血塊が血流にのって移動し、肺の血管に詰まると肺動脈血栓塞栓症を引き起こします。激しい胸痛、失神、呼吸困難、心拍数の増加、意識消失を引き起こします。

エコノミークラス症候群では飛行機を降りてゲートに向かう頃に出現します。肺動脈血栓症を空港で引き起こした場合、前記したような症状が急激に出現します。血栓が小さく、軽症の場合は病院で血栓を溶かす処置を受けますが、重症の場合はその場ですぐに心停止に至り、AEDを使用して心肺蘇生を行っても、それだけの処置では詰まった血栓を取り除くことはできませんので、回復は難しいです。そのため、予防が非常に大切になります。

エコノミークラス症候群/静脈血栓寒栓症の予防

エコノミークラス症候群は、ケアをすることで未然に防ぐことができます。

  • 足を動かす

とにかく、足を動かして血流を良好に保つことが必要です。エコノミークラスで、8時間以上のフライトをした場合に発症する可能性が高まると言われています。じっと同じ体勢で過ごすことが発症の原因になりますから、海外旅行などで長時間飛行機に乗る場合は、こまめにトイレに行って体を動かしたり、足を組み替えたりして下肢を動かすようにしましょう。靴を脱いで、自分の両方の足の指でじゃんけんをするように動かすと、血栓の予防に効果的であるとも言われています。

  • 水分を意識して摂る

脱水で血液が濃くなると血栓を生じやすいため、機内では意識して水分をとるようにしましょう。トイレが気になるからと水分を摂らないのは非常に危険です。キャビンアテンダントさんが飲み物を頻繁に配りに来るのは、エコノミークラス症候群を予防するためでもあります。飲み物を持ってきてくれたら、断らずにいただくといいですね。

  • 血栓症を患っている場合

血栓症の既往のある人は、血液が固まりやすい体質の人です。その場合、ふくらはぎをきつく締め付ける、弾性ストッキングというものを着用すると、静脈の血液が心臓に戻ってくるのを補助し、結果血流の滞りを防いで血栓を予防できます。血液が固まりやすい傾向にある、病院で長時間の安静が必要な人は、弾性ストッキングを着用して過ごしたり、脚を定期的に圧迫して血流を促進するマッサージ機のようなものを装着して深部静脈血栓症を予防します。